2025.04.24
Teton Bros. の春夏用シェル選び方
雨や風を遮断する「シェル」は、フィールドでの快適性と安全な山行のために欠かせないアイテムです。雨の日に着るレインシェルは高い防水性で雨を防ぎ、優れた通気性により行動中の蒸れを軽減します。風を止めるウィンドシェルは非常に軽量で、ポケットに収納できるほどコンパクトで携帯性にも優れているのが特徴です。
Teton Bros.では、どちらも用途やコンディションに合わせて最適な一着を選べるよう、いくつかの仕様やデザインを揃えています。
このコラムではレインシェル3モデル、ウィンドシェル2モデルをピックアップして、コンセプトや生地の特徴、使い分けを解説します。
1. YARI JACKET / WS OZE JACKET (MENS / WOMENS) |
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防水透湿シェル 素材:20デニール Stretch Cordura Super Durable 3L |
春夏用アルパインシェル
2. FEATHER RAIN JACKET (GENDERLESS) |
防水透湿シェル
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3. TSURUGI LITE JACKET (GENDERLESS) |
防水通気シェル |
マルチパーパスプルオーバーシェル
4. ROCK JACKET (MENS) |
クライミング用ウィンドシェル
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5. WIND RIVER HOODY (MENS / WOMENS) |
ウィンドシェル
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ここで紹介する5点の春夏用シェルのうち、機能面で大きく違うのが防水性。
完全防水の防水シェルに対して、ウィンドシェルは霧雨程度を弾きますが、降り続く雨に対しての防水性はありません。そのぶん、重量は防水シェルの半分程度と軽く、手のひらに乗るほどコンパクトになります。非常に薄手ですが、あらゆる場面で使い勝手のあるシェルです。
そのなかでROCK JACKET(4)はクライミングに特化した製品のため、さまざまなフィールドでオールラウンドに使うにはWIND RIVER HOODY(5)ががおすすめです。
左の防水シェル3点は、いずれもレインジャケットとしての性能を追求しています。
左から、YARI/WS OZE JACKET(1)はフルスペックのスタンダードモデル。長期山行や本格的な登山はもちろん、最初に買うレインウェアとしても安心です。同じ素材で徹底した軽量化を図ったのがFEATHER RAIN JACKET(2)。好天予報時のバックアップとしてバックパックに入れておくにも最適です。
TSURUGI LITEJACKET(3)はTeton Bros.らしい個性派。レインシェルとしての機能を十分に備えつつ、着心地の良さからマルチなアウターとしても活躍。雨の日以外でも着たくなる一着です。
YARI JACKET / WS OZE JACKET
YARI JACKET、WomensのWS OZE JACKETはTeton Bros.定番の春夏シェルジャケット。アルパインエリアを含む登山や長期の山行でも使えるフルスペックのシェルとしての機能を充実させています。
急な雨や変わりやすい天候で脱ぎ着がしやすいフルジップ。斜めに大きく開く両サイドのベンチレーションは太い動脈が体表付近にある脇下周辺の換気効率を上げることで冷却効果を得られる機能になっています。また、バックパックを背負っていても開閉しやすいのも特徴です。
フードはアルパインヘルメット対応、袖口はやや広めにとることでグローブ着用時もストレスがなく、ベルクロで雨風の侵入を防ぎます。
素材は軽量で耐摩耗性に優れる「Stretch Cordura Super Durable 3L」を採用し、身体を守るため防水性や透湿性を十分に備えることはもちろん、岩肌やハイマツなどの擦れに対する生地の強さ(高い耐摩擦性)や動きに追従するストレッチ性、着心地の良さも実現しています。
WS Oze Jacketは基本的な機能はYari Jacketと同様ですが、女性の骨格に合わせたパターンで創り上げています。
FEATHER RAIN JACKET
FEATHER RAIN JACKETは、YARI JACKETとWS OZE JACKETと同様の素材 (Stretch Cordura Super Durable 3L) を採用しています。強靱な素材の特長を生かしつつ、軽量化を重視したシェルです。
フードはヘルメット非対応。大容量のポケットが胸に1つ、袖口仕様もシンプルなコールゴム仕様にするなど必要な機能をミニマムにして搭載した結果、3レイヤーシェルながら185g(Mサイズ)という抜群の軽量性を実現しています。軽さと耐久性を両立したシェルはマウンテンランニングやファストパッキング、バックパック内に常備する非常用シェルとして最適です。
YARI JACKETとWS OZE JACKETよりも細身のカッティングですが、薄手で伸縮性に富む生地と Range of Motion=可動域を考慮したパターンで動きを妨げません。また、アームホールにはゆとりがあり、寒い日の重ね着にも対応しています。
TSURUGI LITE JACKET
Tsurugi Lite Jacketはアイスクライミングのシェルとして開発した「Tsurugi Jacket」の機能とデザインを継承した無雪期(春夏メイン)の様々なアクティビティに対応するシェルです。
素材は高い防水性と通気性に加え、ナイロンでありながら優れたストレッチ性を持つTeton Bros.独自の通気防水素材「Täsmä」を採用。完全防水のシェルとは思えないやわらかな着心地しなやかな肌触りと動きやすさも特長です。
最大の特徴はプルオーバーであること。首から脇腹まで大きく開くダブルジップのベンチレーションはプルオーバーの着脱しづらさを解消しながら、効果的に換気を行えます。
ジャケットのセンターにファスナーがないことでウェア自体の軽量化、さらに腹部にジッパーがないことで生まれるしなやかな着心地は春夏の幅広いアクティビティに適しています。
ROCK JACKET
ROCK JACKETは軽量かつ耐久・防風性を両立したロッククライミング用のウィンドシェルです。
クライミングでの着用を想定し、高い耐摩耗性、引裂強度をもつHPPE(高強度ポリエチレン)を使用することで岩などの擦れにも強くなっています。素材の特性上、通気性よりも防風性に優れているため、高所でのクライミングやビレイ時に保温を確保する用途としても適しています。
Teton Bros.の定番WIND RIVER HOODYと比較するとストレッチ性と通気性では劣りますが、そのぶん、防風性能と引裂強度が飛躍的に高く、腕上げなどの動きに合わせた立体裁断によりストレスはありません。
WIND RIVER HOODY
薄手軽量ウィンドシェルのWIND RIVER HOODYは、Teton Bros.の春夏のロングセラーです。
防風性と通気性、撥水性をバランスよく備え、トレッキング中の風を適度に止め、運動強度が上がった際には汗抜けが良く、霧雨を弾きます。
今季、生地の変更により、汗をかいたときの肌離れの良さが向上。
強風時にウィンドシェルとしてフリースの上に羽織ることはもちろん、肌寒い気象条件での保温にも適しています。
トレッキング、マウンテンランニング、残雪期のバックカントリー等、アウトドアアクティビティのあらゆる局面で、活躍します。