2023.12.26
自分に合ったレイヤリングを見つけよう
宮城蔵王を中心にアウトドアアクティビティーの企画・運営する「ZAOC」代表。プロスキーヤー、バックカントリーガイドの半田譲氏。
シチュエーションに応じたレイヤリングの考え方についてのコラムが届きました。
半田譲 [ YUZURU HANDA ] http://www.zaoc.org/
僕は活動の一環として、初心者向けバックカントリー講習も行なっている。その際、ウェアのレイヤリングに関して必ず伝えているのは、「体感温度には個人差がある」ということ。
基本的なレイヤリングのセオリーを知っておく必要はあるが、結局のところ、暑さ寒さは人それぞれなので、「自分に合うレイヤリングは自分で探すしかない」と考えている。
もう一点、僕がひそかに重視しているのは、どのレイヤーの状態でも「スタイリッシュ」であること。シェルを脱いでハイクアップする時も、滑走するときも、山から降りてきてウェアを脱いで温泉に行く時も、いついかなる時でもスタイリッシュでいたい、ということだ。
僕がハイシーズンのミッドレイヤーにFARALLON SHIRTを選ぶのは、ウールの保温力と絶妙な割合でブレンドされている化学繊維による透湿性……といった機能面はもちろんだが、なにより、シェルを脱いだ時にTB PANTとの組み合わせがスタイリッシュであるから。それが一番の理由だ。
同じ理由で、下半身にはHOBACK KNEE PANTを穿く。保温性に優れ、TB PANTとリンクするベンチレーションが、暑い時でもウェア内の深いところまでクールダウンしてくれる。
また、やわらかにストレッチする穿き心地は、バックカントリーでの行動中はもちろん、温泉から出た後にそのまま着用しても気持ちよくて快適で、見た目にもスマートだ。
次にお伝えするのは「フードの問題」。これはレイヤリングに関する議論のなかであまり話題にのぼらないが、実は意外と無視できないテーマである。
Teton Bros.に限らず、バックカントリー用シェルでフードのないモデルは考えられないと思う。だが、実際のレイヤリングで困るのは、ミッドレイヤーやベースレイヤーにもフードが付いていること。場合によっては、3枚のフードが首周りを賑わすことになる。
フードはシェルだけで十分という意見もあるだろう。だが、ミッドレイヤーやベースレイヤーのフードはなかなか優れもので、上手に活用すると実に快適だ。その際にポイントとなるのは、「どのレイヤーにフードを持ってくるのか」だ。
雪山でシェルを脱いでハイクアップするときには、顔まわりの微妙な温度調整や、風を避けるために、何かしらのフードが欲しいところ。そこで、フードはミッドレイヤーか、ベースレイヤーか、という選択になる。
ミッドレイヤーとしてFARALLON SHIRTの着用率が高い僕も、ハイク時間が長くなる場合や、シェルを脱ぐ機会が多い場合は、フード付きアクティブインサレーションのSLICK HOODY(春夏モデル)を活用している。その場合のベースレイヤーはMOB WOOL L/S。春や残雪シーズンなら春夏モデルのAXIO LITE L/Sを選択。
逆に、天気は良いが気温が低い場合はFARALLON SHIRTをミッドレイヤーに着て、ベースレイヤーはMOB WOOLHOODYのフードを有効活用している。
微妙な違いだが、ミッドレイヤーのフードを活用する前者の場合は、撥水性と通気性をメインに動的保温を重要視したレイヤリング。後者は撥水性よりも保温性と通気性を重要視したレイヤリングだ。
ちなみに、MOB WOOL HOODYは優れもので、フードの被り具合でバラクラバとしても、ネックゲイターとしても使用できるので、FARALLON SHIRTとの組み合わせは保温性を重視したゲレンデ滑走時も活躍してくれる。
レイヤリングは様々な組み合わせが考えられるが、見た目で選ぶのもアリ。「どうしてもこれを着たい!」と思った時に、ほかのレイヤーで何を組み合わせれば機能的なレイヤリングになるか。フード問題も含めて自分なりのスタイリッシュで機能的なレイヤリングを探してみてはいかがだろうか。
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