CLIMATIC JACKETのススメ

製品レビュー

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Teton Bros.ではバックカントリーを想定したTB JACKETの機能をベースにアイスクライミングやアルパインクライミング等のアクティビティ向けに機能を追求し、各製品(シェルジャケット:3品番)をつくりあげています。

バックカントリースキーにおいてTB JACKETとアルパインシェルCLIMATIC JACKETを愛用するTeton Bros.のヘビーユーザーからインプレッションが届きました。


以前はTetonBros.の冬のフラッグシップシェルのTB JACKETとTB PANTを身にまとってバックカントリースキーを楽しんでいた。特に大きな不便はなかったのだが、どちらかといえば細身体型の自分は、ジャケットを1サイズ落として着用していた。その影響でレイヤリングによっては若干使い勝手が良くないことがあった。また、TB JACKETとTB PANTをセットで着用すると、パンツ上半身のビブの部分がどうしてもオーバーレイヤリングになっていたことが、汗かきの自分には改善したいと思っていた点だった。

そのようななか、数シーズン前にTeton Bros.独自の防水通気素材「Täsmä」を新たなシェル素材として採用したTB JACKETとCLIMATIC JACKETの両方を試着する機会があり、実際に着てみると、CLIMATICのスリム感が私にとってはジャストフィットだった。TB JACKETの根強いファンではあったが、そのシーズンからCLIMATIC JACKETに浮気して雪山を楽しむことにした。

写真右) 今回インプレッションしてくれた鈴木氏。CLIMATIC JACKETとTB PANTの組み合わせ

CLIMATIC JACKETは同じ「Täsmä」でも50デニールのストレッチナイロン(TB JACKETは「50デニール×2」の高強度ナイロン)を採用しているため、明らかに軽量でストレッチ性が高く、通気性も高い。そのためか、TB PANTと一緒に着用しても、以前より自分の体温がこもることがなくなったのは嬉しい発見だった。また、50デニールのストレッチナイロン素材だからTB JACKETと比べて耐久性や強度が劣るか、といえば決してそうではなく、私のような一般バックカントリースキーヤーが数シーズンにわたって愛用していても、気になるところが特に見当たらないのは安心材料だ。

ベンチレーションもTB JACKETと同じ角度で設計されているので、TB JACKETから浮気したにもかかわらずベンチレーションの使い勝手にまったく違和感がなく、インナーメッシュケットの使用感も同じだ。

唯一、使っていて気になっているのは、リフトパスを入れるアームケットがないことくらいか。チェストポケットはグローブをしたままでも使いやすいように開口部が広く、かつ奥深く作られており、それはそれで大きなメリットがある。だが、自動車の鍵のような小物を格納するのは、逆に紛失リスクが高いと思っている。TB JACKETでも実は同じようなことがいえるのだが、TB JACKETは上腕にICリフトチケット用のポケットがあるので、ゲレンデスキーなどバックパックを背負わない状況では、それを小物入れとして重宝していた。

このCLIMATIC JACKETのコンセプトが「無駄をそぎ落としたアルパインジャケット」ということなので、製品コンセプトは尊重するが、もしも将来、デザイナーがピンと来て、上腕の小ポケットが小物入れとして「無駄ではない」と判断することがあれば、ぜひどこかに実現してほしいと願っている。

その日がやってくるまでは、スキー場では(尊重の意味を込めて)若い頃に苗場スキー場で買ったレオ(ライオン)のロゴが付いたリフト券ホルダーにチケットを入れて腕に巻き、「ダブル・ライオン」で滑走を楽しもうと思っている(笑)。

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