Teton Bros.のカラーリング

開発ストーリー

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2008年のブランド創設後から現在に至るまで『Fanctional Beauty』をコンセプトに製品を生み出しています。

素材やパターン、細部のディテールなどの機能面での充実はもちろん、Teton Bros.のカラーリングはTeton Bros .製品を構成するうえで重要な要素です。

「アースカラーで自然になじむカラー」、「他にはないジャパンブランドらしい色」などとお店やユーザーの方々に意見をいただくカラーリングはどのように決定されているのか。

このコラムでは、全製品のカラーリングを担当するTeton Bros.スタッフがカラーを決めるうえで大切にしていること、色に込めている想いについて紹介します。


カラーリングに関して一番重要視しているのは、日本人の肌色に合うかどうか、です。いわゆる業界のトレンドカラーに乗ったことはないし、色味によって違う注文実績データを参考にすることもありません。しいて言うなら、私が好きな色、かな。

世界の人々の肌の色は、髪と目の色を含めて考えると、おおよそ6つのタイプに分類されるようです。

私たち日本人の肌は黄色で、欧米人は白い肌。そうなると、やはり肌になじむ色味は違ってきて当たり前。素敵だなと思うカラーでも、日本人には合わないということが往々にしてあるわけです。それを漠然と感じはじめたのは、まだ海外ブランドのウェアを着ていた頃でした。

店頭に並ぶカラーバリエーションから、気に入ったものを選ぶわけですが、実際にそれを着て滑っているうちに、どこか色合いが合わないと感じたり、自分の肌の色がくすんで見えることがよくありました。ショップに並んでいるときのカラーの印象と、着たときのギャップが大きかったのです。なので、なるべくそこを埋めていきたい、というのが私の色選びの原点なのだと思います。

実際、カラーリングを決めるに当たって、以前は着物の色合いや、和服の色合わせなどをよく参考にしました。

それこそ、十二単の合わせ方なども調べましたね。着物の色はもともと染め物なので、科学的に合成された色は一切ないわけです。日本国内にある草木などの自然素材から取った色を、長い年月をかけて日本人の肌に馴染むように合わせてきたわけですからね。

以前「Teton Bros.は全体的にくすんだ色が多いから、1色は明るい色を入れたほうがいいよ」というアドバイスをいただいたことがあります。

実際、そこから明るい差し色を作っていた時期もありましたが、最近はそこにはあまりこだわらなくなりました。取り扱い店に並んだ場合、鮮やかな色はほかのブランドさんに任せるとして、Teton Bros.ではそのシーズンごとの世界観を表現する色合いに注力するようになっています。

過去のサンプルがずらりと並ぶデザインルーム。過去に作ったブライトな色合いもある

毎年、カラーリングを決めていくのは楽しい仕事です。
でも悩むときもあります。そんなときはトレンドカラーに頼ってみたり、売れ筋データを参考にしようかなと思ったりもします。でも、そういうのを自分の中に入れてしまうと、どこか偏っていく危険性があります。

やはり、色味はできるだけフラットな感覚で選びたいですからね。なので、ひらめきが訪れるタイミングをひたすら待ちます。色合いや合わせ方をずっと考えていると、必ずどこかでひらめきがやってきます。お風呂に入っているときとか、寝る直前とかはけっこうありますね。

この仕事をしていてうれしいのは、「いい色合いですね」とか「ティートンらしい色ですね」と言っていただけるとき。
やはり、色をほめていただくのは、個人的に一番うれしい瞬間ですね。

 

Text by Junko Sakaguchi
Teton Bros.ゼネラルマネージャー / カラーリング担当
Snowboarder

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